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各話の紹介

バリエーション豊かな21話、その内容

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音声も含め

全て完成して

いる作品

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中国の歴史から

「虎の威を借る狐」

​ずるがしこい狐が虎をだました、有名な例え話です。しかし例え話については知っていても、それがいつ、誰によって語られたものなのか、そこまで知っている人はあまり多くないのではないでしょうか。

時は紀元前4世紀頃、春秋戦国時代といわれたころの中国に、楚(そ)という国がありました。楚の宣王がある日投げかけた問いに、江乙(こういつ)という男が答えた中で、この例え話は登場します。それには一体どんな意味があったのでしょう?

​様々な紙や素材を切り貼りして創作した、半立体のデザインを活かしたアニメーションです。

​(2010年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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ギリシャ神話から

「迷宮入り」

​事件が解決せず、真相が闇に埋もれてしまうことを「迷宮入り」といいますが、このことばはギリシャ神話のエピソードに由来しています。

昔クレタ島の洞窟には、頭は牛で体は人の怪物、ミノタウロスが住んでおり、人々を食い殺していたので大変恐れられていました。それをアテナイの英雄テーセウスが退治するというエピソードなのですが、クレタ島の王の一人娘、アリアドネがこのテーセウスに一目惚れし、彼を助けたい一心で秘策を編み出し、それがまたもう一つの「ことばのそもそも」につながったりします。

​一見動きの少ない絵画タッチの作品ですが、要所には3DCGも活用しています。

​(2010年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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ヨーロッパの歴史から

「コロンブスの卵」

​アメリカ大陸を発見したコロンブス。その祝いの席で功績をけなされたコロンブスは、テーブルにあったゆで卵を手に持つと、これを立てることができるかと尋ねます。誰もができずにいると、コロンブスは卵の底をちょっと潰して立ててみせます。

コロンブスはこのことを通じて、「誰にでもできることでも、最初にやるのは難しいのだ。」と言ったとか。有名なエピソードですが、実はコロンブスの話じゃなかったというのがミソ!

​影絵タッチを活かした、独特なデザインのアニメーションです。

​(2010年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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中国の歴史から

「画竜点睛を欠く」

​肝心なところが欠けているために完全とはいえないことをこういいますが、欠けていてはいけないのではなく、敢えて欠けさせておいたところを無理に埋めたら大変なことになっちゃったというのが、始まりのエピソード。

南北朝時代の中国にいた、とんでもない絵の名人のお話ですが、この事件のあとに流行ったというオマケの話も傑作です。

​実写で絵巻物を紐解くところから始まります。やがて絵巻の水墨画が動き出し…というところが、まさに絵が動き出すストーリーともしっかりシンクロしています。「動き」でも魅せてくれます。

​(2010年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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古代ギリシャの歴史から

「ソクラテスの妻」

歴史に残る最悪の奥さんというと、「ソクラテスの妻」。古代ギリシャの偉大な哲学者、ソクラテスをいつもどやしつけていた妻クサンティッペは、いわば悪妻の代名詞…というより代表選手?

しかし、ソクラテスが哲学者としていかに優れていたとしても、妻の立場に立ってみると別の姿が見えてきます。特に夫ソクラテスの最期の時、クサンティッペがどんな様子だったかを知ると、その印象は一変するかもしれません。

​水彩タッチを活かした、優しくホンワカしたデザインのアニメーションです。市原さん演じるクサンティッペの最後の叫びが、胸に迫ります。

​(2011年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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中国の歴史から

「轍鮒の急」

​差し迫った危機や困難、窮乏を表すことばです。中国古代の思想家、荘子にまつわるエピソードに由来します。轍(わだち)と鮒(ふな)…。どういう関連があるのか、ちょっと見当が付きませんよね。普段、それほど耳慣れないことばでもあり、レコーディングにあたっては、事前に「轍鮒(てっぷ)」のアクセントを調べました。

​剪紙(せんし)といわれる中国の切り絵があります。この作品は、剪紙が動き出したようなデザインのアニメーションです。専用のハサミも購入したのですが、最終的にはデジタルで剪紙の雰囲気を創作しています。

​(2011年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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古代ギリシャの歴史から

「万物は流転する」

紀元前500年頃のギリシャの哲学者、ヘラクレイトスのことばで、この世に存在するものは全て常に変化しており、永遠に変わらないものなど無いという意味です。当時、一種の流行語のようにもなったというこのことばを風刺して、同時代の喜劇作家エピカルモスが喜劇を創作しました…、というところまでは元のストーリーのままですが、それだけではお話が締まりません。そこに見事なオチを、脚本担当が考え出しました。

​関節が動く紙人形を使ったようなスタイルのアニメーションですが、全てデジタルで作られています。最初に短いカットがあった後は、長回しのワンカット。撮影編集が大変だったと思います。

​(2011年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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ヨーロッパの歴史から

「サンドウィッチ」

​トランプ遊びが大好きなサンドウィッチ伯爵が、食事でゲームを中断しないため、パンに具を挟んで食べる食べ方を考案したので、この名前が付いたというのは有名なお話ですが…。

実際のサンドウィッチ伯爵という人がどんな人だったかは、意外に知られていません。あの有名なエピソードは本当だったの?というのが、この作品のポイントではあるのですが、やっぱり最後にオチがあるんです。

​パステル調の柔らかい色使いでアウトラインの無い、ベクターイラストを動かしたようなタッチのアニメーションです。デザインのセンスが光っています。

​(2012年度制作)

音声も含め

全て完成して

いる作品

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ヨーロッパの歴史から

「ボイコット」

​集団で団結して会合や運動に参加しなかったり、特定の人を排斥したり、あるいは不買運動などすることを「ボイコット」といいますが、これは人の名前に由来しています。

人の名前がある行為を示すことばとして残るケースでは、大抵はその人がある行為をおこなったという出来事がキッカケになることが多いように思いますが、ボイコットさんはボイコットをした人ではなかった…というのが、この作品のポイントです。

カラフルな紙をザックリ切って、貼り合わせて作ったような背景の上、個性的なデザインのキャラクターたちが動き回ります。

​(2012年度制作)

市原さんの

録音迄できて

いる作品

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中国の歴史から

「覆水盆に返らず」

​覆水とはこぼれた水のこと。こぼれた水が戻せないように、一度別れた夫婦は元に戻らないというのが本来の意味ですが、転じて、一度した過ちは取り返せないという意味にも使われます。

​大出世を遂げた呂尚(りょしょう)の元へ復縁を求めてきた妻を、演出担当が「虫の良いことを言う嫌な女」と言うので、全て妻の立場から見直してごらんと言ったところ、「ダメ夫に耐え続けた元妻にこんな仕打ちをするとは、呂尚はひどい奴だ」と、感想が大逆転してしまいました。

​背景も動画も、共に丁寧な絵作りが際立つ作品です。釣り好きを「太公望」という、そのことばのそもそもにも繋がるエピソードです。

​(2013年度制作)

市原さんの

録音迄できて

いる作品

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日本の歴史から

「弘法にも筆の誤り」

​どんなに学問や技芸に優れた人でも、時には間違えたり失敗したりすることがあるという意味で、「猿も木から落ちる」と同義語。

 

大変な書の名人であった弘法大師でも、字を書き間違えることがあるというお話ですが、そんなことが本当にあったのでしょうか?…というところから始まって、その間違えた字を弘法大師がビックリするような方法で直すところまでが紹介されます。歌の文句にもありましたが、「あとの態度が大事だよ〜」なんですね。

​木版画のような背景に、太くてカッチリしたアウトラインのキャラクター。コミカルなモブキャラクターたちの動きが楽しいアニメーションです。

​(2013年度制作)

市原さんの

録音迄できて

いる作品

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中国の歴史から

「塞翁が馬」

​塞翁とは昔、中国の北方の塞(さい)に住んでいた占いの得意な老人のことです。塞翁は幸運なことがあっても「これが災いの元になるかも」と言ってさして喜ばず、不運に見舞われても「これが幸福に繋がるかも」と言ってあまり嘆かなかったという、有名なエピソードです。人生は何が幸福で何が不幸か計りがたく、運命は誰にも分からず予測できないものだから、あまり一喜一憂するなかれという戒めでもあります。

​一際目を引くのが、塞翁の秀逸なデザインです。強めの色使いと共に、大胆なデフォルメが施された絵作りで、とても印象的なアニメーションに仕上がっています。

​(2014年度制作)

市原さんの

録音迄できて

いる作品

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ヨーロッパとアメリカの歴史から

「テディベア」

​かわいいクマのぬいぐるみをテディベアと呼びますが、その誕生には20世紀初めのドイツとアメリカの物語が関わっています。手足に障害を持つマルガレーテ・シュタイフは、ドイツの小さな街に住んでいました。彼女が制作したぬいぐるみがヒットして、やがてぬいぐるみ製造会社を作ります。そこで製造されたクマのぬいぐるみが海を渡ってアメリカに届き、当時のアメリカ大統領、ルーズベルトのニックネーム「テディ」が付くまでの長い経緯が、2分間のワンカット・アニメーションで展開されます。

優しい色使いで、毛糸の編み物のテクスチャが活きています。制作時には夏合宿で、伊豆の「テディベア・ミュージアム」にも取材に行きました。

​(2014年度制作)

市原さんの

録音迄できて

いる作品

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中国の歴史から

「漁夫の利」

​二者が争っている内に、それに乗じて第三者が利益を得てしまうという例え話ですが、これも「虎の威を借る狐」同様、誰がどういう状況で話したかまで知っている人は多くないでしょう。

​中国の戦国時代、小国の燕に攻め込もうとしていた趙(ちょう)の恵文王の前に、燕からの使者としてやってきた蘇代(そだい)が、この例え話一つで戦争を止めてしまったというお話です。さて、恵文王はなぜこの話を聞いて攻め込むのをやめたのでしょう?。

例え話のパートは、ちぎり絵タッチの誇張されたデザインによるアニメーション。蘇代と恵文王のシリアスなシーンとは、タッチを変えています。

​(2014年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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日本の歴史から

「元の木阿弥」

​戦国大名筒井順昭が病死したとき、子供の順慶が幼かったため、木阿弥という名の盲目の坊主を順昭の替え玉に仕立ててその死を隠しました。やがてお役御免になった木阿弥は、再び元の乞食坊主に…というのは有名なお話ですが、江戸時代にもう一人、元杢網(もとのもくあみ)という狂歌師がいました。この方の物語も面白いのです。

​制作時には、埼玉県にお住まいの杢網さんのご子孫の方に取材をさせて頂き、杢網さんが描かれたという自画像まで拝見させて頂きました。いろいろ資料も見せて頂き、まるで江戸時代まで行って、ご本人にインタビューしてきたような錯覚に陥りました。そんな、綿密な取材を元に制作されたのがこのアニメーションです。

​(2015年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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中国の歴史から

「蛇足」

​蛇足とは、余計な付け足しのこと。蛇の絵に足まで描き加えて酒をもらい損ねた男の話はあまりにも有名です。春秋戦国時代、大国の楚(そ)の宰相、昭陽が、大軍を率いて斉に攻め入ろうとする前の晩、一人の老人が来て、蛇に足を描いた男の話をします。すると昭陽は攻め込むのをやめ、軍を引き上げてしまいます。老人は斉の使者で陳軫(ちんしん)という男でしたが、なぜ蛇に足を描いた男の話だけで戦争を止められたのでしょう?

見たこともないような、ジグソーパズルのアニメーション。組み合わさったピースに描かれたキャラクターが動くと、その動きにつれてピースもゴニョゴニョ増えたり減ったりします。この動きが、何とも言えない快感を誘います。

​(2016年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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日本の歴史から

「敵に塩を送る」

​戦国時代、甲斐の武田信玄は今川氏真・北条氏康連合軍に塩を止められて困窮しました。氏真は日本海側からの塩も止めようと、越後の上杉謙信に協力を求めます。ところがこの作戦を謙信は「卑怯」と断じ、逆に最大の敵である信玄に塩を送ったという、いかにも義に厚い謙信らしいエピソードです。

​ファミコンのシミュレーション・ゲームやロールプレイング・ゲームを模した画面づくり。塩を運ぶ上杉軍も、ドット絵のマップ上をピコピコ進んで行きます。ナレーションで語られる内容と並行して、画面上に表示される文字にもご注目。高画質に背を向けて、敢えてドット絵の世界を舞台に展開させた戦国絵巻です。

​(2016年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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中国の歴史から

「完璧」

​欠点や不足が一つも無いさまを完璧といいますが、このことばは中国の春秋戦国時代、趙の国にあった「和氏(かし)の璧(へき)」と呼ばれる宝玉に由来します。大国秦の王がそれを欲しがり交換条件を持ちかけますが、小国趙の使者、藺相如(りんしょうじょ)が、命をかけて璧と趙の面目を守り通したというエピソードです。

 

紙の発明・普及以前、中国では広く竹簡が使われていました。(日本は竹ではなく、木簡が一般的だったようです。)この作品は、竹簡を使ったアニメーションです。並んだ竹簡に墨で描かれた絵が動きます。場面転換する時は竹簡がパタパタひっくり返り、時には画面の半分だけ入れ替わるというような、演出的工夫も施されています。

​(2016年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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ヨーロッパの歴史から

「シルエット」

​単色で輪郭内を塗りつぶした画像をシルエットといいます。マークや標識などでも使われますが、もともとは横向きの肖像画を描く際の技法のこと。これは18世紀フランスの元財務大臣、エティエンヌ・ド・シルエットという人の名前に由来します。財政倹約のため、彼は絵の具を沢山使う肖像画の代わりに輪郭だけのシルエットを推奨して評判を落とすのですが、意外にもこれが人の特徴をよく捉え、また制作が容易で安価だったことから、写真の無い時代に大流行するのです。

紙を切り抜いたようなデザインのキャラクターを用いて、半立体の世界で展開するアニメーションです。シルエットの実際の制作方法は、3DCGによるカメラの回り込みで見せてくれます。

​(2017年度制作)

映像は完成

音響が未完

の作品

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日本の歴史から

「一期一会」

​「1回限りの出会いの芸術」ともいわれる茶道の心得を説いたことばですが、これは幕末、桜田門外の変で暗殺された大老、井伊直弼の著書「茶湯一会集(ちゃのゆいちえしゅう)」に登場することばです。彦根藩主の14男、それも側室の子として生まれ、茶道を始め和歌や鼓に傾倒して「チャカポン(茶・歌・鼓)」と呼ばれた直弼でしたが、32歳で藩主となり、40歳で幕府の大老になって42歳で暗殺されます。​「茶湯一会集」は直弼が彦根藩主になる前から書き始め、亡くなる寸前まで推敲を重ねたものだったといわれています。

 

直弼の激動の生涯を、素朴なタッチの描線で2分間に簡潔にまとめ上げたアニメーションです。

​(2018年度制作)

映像は完成

音響が未完

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日本の歴史から

「こら」

​「こら!」といわれれば叱られたように感じますが、このことばがそのように使われるようになったのは実はつい最近、明治以降のことなのです。

​時代劇でよく登場するセリフ、「これ」。この「ちょっと、そこのあなた」という程度の呼びかけのことばが、薩摩弁では「こら」になります。では、それがなぜ叱責することばになってしまったのか。それには明治新政府における、近代警察誕生の物語が関係してくるのです。

​制作時には、京橋の警察博物館へも取材に行きました。時代背景に合わせ、明治時代のポンチ絵が動き出したようなタッチのアニメーションです。ポンチ絵というのは、今の漫画の先祖ですね。

​(2018年度制作)

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